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礼拝堂七号室
プラットホーム
プラットホーム
あなたの死ぬ夢で目が醒めた
冷えきった風が汗ばんだ体を撫でた
あなたの死ぬ夢を恐れていた
締め切った窓が風で揺れて音を立てた
胸いっぱいに咲かせたアネモネの花束
そうやって初恋を葬ろう
プラットホームで私の背中を優しく押した
頼りない右腕は不確かな微熱の中
気が気じゃないから私は手紙を毎日書くと
車窓から乗り出して悲しくないと手を振った
めいいっぱいに飛ばせば手紙よりも早く
紙飛行機は届くのだろうか
サンセット背負ってたくさんの汗を額に流す
頼りない二つ目はそれでいて光の中
気が気じゃなくてもあなたはなんにも言わずにずっと
どこよりも遠い場所で 寂しくないと手を振るのだろう
あなたに咲く赤色のアネモネの花……
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