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金木犀ノ庭、剪定

​歌唱:音桐エレノ

制作:えのやま

オフボーカル

金木犀ノ庭、剪定

ぼろぼろの胸を隠し、愛を乞う愚かな私。
庭の外に出なければ、貴方は此処に居てくれるね。

一つ、一つ、零してゆくの。
雨に濡らされ匂う初恋。

どうせこのまま朽ちるならば、
今だけでいい、「そばにいて。」
無垢な祈り、届かなかった。
貴方を置いて、此処から出るわ。

何時かはこの躰が、堪えられなくなるでしょう。
その時、私を抱く腕を纏うは、
戀心を弔う貴方でいて欲しいのよ。
抱えたままで往くわ、海の見える場所へ……

一つ、二つ、覆い隠して、
胸を刺激しては喀いた夜。
空の青さも白けたなら、
雪が降るかな、「素敵だわ、ねえ。」

帰る場所に忘れられて、もう独りきり鳥籠……

またいつか香る花の夢を見た。
どうせ幻で終わるから、心で云うわ「さようなら。」
そうよ、最期、奇麗になって、そのまま無様に灼けるのよ!

何時かはこの心も、忘れられてしまうなら、
最後に想ってくれるのは、貴方がいいの。
また二人で花園、気が済むまで笑いましょう。
それはきっと泡沫の、夢になるでしょうね……

金木犀ノ庭。

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