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礼拝堂七号室
神様
神様
悴んだ手を握られて
許されない私は黙る
雑踏に掻き消されない
あなたは神様のようだった
無音の街灯りが作る白昼夢
夜を駆ける私の言葉を照らしていく
彼岸花のその色で思い知った
忘れ難き記憶を歌っている
昼の日差しの中で眠る
束の間の夢見心地
この躰はもう汚れすぎて
あなたには触れられないけれど
確かな心を手繰り寄せて
鳴り止まない音を叫び続ける
無根の摩天楼が探す明晰夢
星の消えた半宵を今日も生き延びていく
過ぎた日々の甘い香を思い出して
今は遠いあなたを願っている
無限の流れ星が作る白昼夢
空を駆ける願いをあなたが捉えていく
彼岸花のその色を語り継いで
夜が明ける刹那を待ち侘びている
その綺麗な指で私の黒髪に触れた
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